手汗の原因は自律神経の不調

手汗の究極の原因は、医学的には残念ながらよく分かっていません。それでも、原因のひとつと思われているものがあります。

それは自律神経の不調です。自律神経は、体調の調整に欠かせない神経です。

ではこの自律神経には、どのような働きがあるのでしょうか。手汗の改善のためにも自律神経の働きを知っておきましょう。

 

自律神経とは

自律神経とは、交感神経と副交感神経の二つの神経系の総称です。

自律神経の種類

  • 交感神経:活発に活動している時に働きます。呼吸数や心拍数が上昇し、血圧も上がります。
  • 副交感神経:休んでいる時、リラックスしている時に働きます。心拍数や血圧は安定しています。

自律神経系は、この2つの神経のバランスより適切に維持されています。このバランスが崩れることで、様々な体調不良の原因となります。手汗などの多汗症もまた、この自律神経系のバランスの崩れが原因だといわれています。

 

多汗症は交感神経の過敏が原因のひとつ

多くの人を悩ませる多汗症。手のひらに大量の汗をかく手汗は、医学的には手掌多汗症と呼ばれます。

手掌多汗症の原因のひとつに、自律神経系の乱れが指摘されています。交感神経の働きが過剰になることで、異常な量の発汗を引き起こしていると考えられます。心拍数や呼吸、血圧の上昇に伴い、汗を出す器官である「汗腺」を刺激しすぎるのが原因です。

この自律神経がバランスよく働いているかどうか、以下の点をチェックしてみてください。

1.よく眠れているか?

自律神経がうまく機能していないと、よく眠れなくなります。

休息時には、副交感神経が働くリラックスモードとなるはずですが、自律神経の不調により、交感神経から副交感神経への切り替えが上手にできなくなります。

なかなか寝付けない、疲れているのに気分が落ち着かない、といった症状が現れてきます。睡眠への導入として、まずはリラックスする環境と体調を整えましょう。

入浴する、スキンケアをする、ストレッチで体の凝りをほぐすなど、休息モードにスイッチを切り替えます。

ベッドにはいってもスマホをいじる人は多いと思いますが、スマホを見ていることで交感神経が働きだすので、自律神経の不調につながってしまいます。

まずはよく眠るため、生活習慣の改善を試みることが、手汗の軽減に繋がります。

2.生活を見直す

自律神経は食事から影響を受けることも知られています。自律神経を整える働きをする栄養素は、「鉄分」「ビタミンB群」「カルシウム」などです。

  • 鉄分:血流に酸素を取り組むのに必要な栄養素。鉄分不足は血流を不安定にし、自律神経を乱す原因になります
  • ビタミンB群:ストレスで消費されやすい栄養素。サプリメントなどで意識的に摂取しましょう。
  • カルシウム:イライラとした気分を抑制する働きのある栄養素。交感神経が過剰に働くのを防ぎます。日常の食事、サプリメントなどで補いましょう。

自律神経は、食事から影響を受けることも知られています。自律神経を整える働きをする栄養素は、「鉄分」「ビタミンB群」「カルシウム」などです。

3.運動不足を解消する

交感神経から副交感神経への上手な切り替えは、適度な運動によっても引き起こされます。自律神経をよく整えるためには、有酸素運動がお勧めです。

30分程度のウォーキングやサイクリング、またはゆったりと行うヨガが適しています。

体を動かすことで働いた交感神経は、その後の休息時に自然と副交感神経に切り替わり、体の疲労を回復するよう働きかけます。

運動をしないことによって、この自然な切り替えをするチャンスがなくなると、切り替えが上手にできない体質になってしまうことも。

適度な運動はダイエットにも効果がありますし、手汗の原因となる自律神経の乱れも自然に修正してくれます。

週末のウォーキングや、駅まで徒歩にするなど、体を動かす習慣をつけましょう。

4.体質にあわせた漢方薬

漢方薬にも、自律神経の乱れを整える作用が期待されます。

  • 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

神経の昂ぶりを鎮める作用があります。やせ型で、神経質な体質の方。

  • 四逆散(しぎゃくさん)

眠症改善の作用があります。イライラしている時にも効果があります。

  • 酸棗仁湯(さんそうにんとう)

疲労、不眠によく作用します。神経過敏な体質の方。

  • 釣藤散(ちょうとうさん)

心身を落ち着かせる作用があります。高血圧の方。

 

ただし漢方は、それぞれの体質を見極めて取り入れたほうが安全です。漢方医とよく相談し、手汗の発見を抑えるための、自分の体質にあったどんな漢方があるのか、よく相談してから試してみてください。