ワキガ(腋臭病)の治療の種類と手術費用

「専門医でワキガを治療したい」、「ワキガが治るのだったら、手術してでも…」という方も多いでしょう。ワキガにはどのような治療法や手術があって、どの位費用がかかるのか気になりますね。ワキガ治療の種類と費用の目安をまとめました。

1.ワキガの治療は何科に行けばいいの?

ワキガの治療では皮膚科に相談に行くのが一般的です。

皮膚科では、問診や症状の重症度によって診断し、治療方法を決めます。設備の有無など、医療機関によって対応できる治療法とできない治療があります。対応できない手術などの治療が必要になった場合は、他の医療機関を紹介してくれるでしょう。

2.ワキガ(腋臭症)の診断

ワキガの治療では、まずワキガ(腋臭症)かどうかを診断します。

☑耳垢のチェック

ワキガの原因となるアポクリン腺は耳にもあり、耳垢でワキガ体質のチェックができます。湿り型と乾燥型があり、湿り型の場合はワキガの確率が高いです。

☑家族歴

ワキガは優性遺伝するので、親や兄弟にワキガの人がいるか、チェックします。

大体、この2つで判定できます。

次に、ワキガの症状レベルをガーゼテストで判定します。医師がワキガの臭いで判断します

腋にガーゼをはさんで、数分間、階段昇り降りなどの運動をします。その後、医師がガーゼの臭いを嗅いで判定します。臭いチェックは医師だけでなく、複数で行うこともあります。
・ レベル1=臭わない
・ レベル2=少し臭う
・ レベル3=鼻を近づけるとわかる(軽度)
・ レベル4=鼻を近づけなくてもわかる(中等度)
・ レベル5=ガーゼを手に持っただけでわかる(重度)
ワキガかな?と思ったら ワキガ体質7つのチェックポイント を参照してください。

3.ワキガの治療方法

ワキガ(腋臭症)と診断されると治療の開始となります。ワキガの症状に合せて、体への侵襲度(体を傷つけてしまう度合のこと)の低いものから優先的に治療が行われます。

ワキガの治療方法を大きく分けると、

  1. 溶液塗布による治療
  2. 注射による治療
  3. 手術による治療
  4. 手術以外

の治療となります。

①~③は一般的な治療方法として広く行われています。④の手術以外の治療とは、非侵襲性のレーザー光線やマイクロ波を利用した治療などです。これらの治療法はまだ新しく、施術できる医療機関も限られています。

①溶液塗布による治療、②注射による治療 は、アポクリン腺を温存する治療法です。③手術による治療、④手術以外の治療は、アポクリン腺を破壊したり除去する治療法ですので、治療効果は半永久的またはかなり高くなります

ワキガ症状レベル:「軽・中等度」なら、温存治療、ワキガ症状レベル:「中等度~重度」なら、手術やその他の治療を勧められることが多いようです。

腋(わき)に塩化アルミニウム溶液を塗る治療

日本皮膚科学会のガイドラインでも、腋窩(えきか)への有効性が認められています。手軽な方法なので、まず最初に推奨される治療法です。

塩化アルミニウム溶液を寝る前に腋に塗布し、起きたら水で洗い流します。ワキガ治療では20%~30%濃度の溶液が使われることが多いようです。アルミニウムイオンが汗腺の細胞膜に作用して分泌を抑え、ワキガを防ぎます。効果が現れるまで、数日かかります。肌の弱い人は、ヒリヒリしたりする場合があります。溶液は、市販やネット販売でも入手できます。できれば症状や皮膚の状態に合せて、皮膚科で処方して貰う方が費用の面からもよいでしょう。

塩化アルミニウム製剤の価格

100g:1000円~2000円程度(保険適用外)

病院での治療費用

2000円~5000円程度の所が主流です。

ネット通販で入手

オドジェルミンNEOは医薬品である塩化ナトリウムを13%配合したワキガ・多汗症のニオイ対策品です。優れた消臭効果から人気の商品であり、ドラッグストアなどで購入できる制汗剤などでワキガ・多汗症のニオイを抑えることができない方には特におすすめです。

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ボトックス注射による治療  BT-A局所注射(50-100U/腋窩)

ボトックス注射は、日本皮膚科学会のガイドラインでも、推奨度はBとされており、ワキガへの有用性が示されています。2012年から重症例については保険適用になりました。注射してから、数日で効果が現れます。

1回の注射による治療効果は半年~1年程度、続くとされています。

麻酔をしてから、施術範囲に1cm置きに皮下注射していきます。注射する箇所の数で、時間と料金は異なります。交感神経から汗腺に指令を伝達するのがアセチルコリンです。ボトックスはアセチルコリン放出を抑制する作用があるので、注射をした周辺の汗腺からの発汗を止めることでワキガを防ぎます。副作用の発現は少ないとされています。

治療費用

5万円~10万円(保険適用なら、3万円前後)保険適用の所と適用外の所があるので事前に確認してください。形成外科や美容外科などで施術できます。

保険適用可能なワキガ手術

剪除法は、ワキガ治療で最も一般的に行われている手術で、保険適用が可能な手術です。但し、保険適用も医療機関によって対応が異なりますので事前に確認してください。

施術方法

メスで皮膚に1~2本、3~5cmほど切れ目を入れて、皮膚を裏返して、アポクリン腺をひとつひとつ除去します。傷跡が1~2本残ります。しかし直接アポクリン腺を眼で見て取り除くので、80~90%除去できるのがメリットです。手術に要する時間は、90分~2時間程度(基本的に入院は必要ないが、術後アフターケアに数回通院が必要)です。

手術費用=自由診療の場合:

20万円~40万円、保険適用の場合(3割負担の場合)手術代35000円+検査など含め5~6万円程度。

保険適用外のワキガ手術

①クアドラカット法

直視下摘除去+超音波+ハイパークランプ法を組み合わせた治療法。皮膚に1cm位の切れ目を入れて、器具を挿入してワキガの原因のアポクリン腺を除去します。吸引管の先にカミソリがついている器具を挿入して、汗腺を切除しながら吸引します。

形成外科などで手術できますが、設備など対応できる所は限られています。80~90%除去でき、傷口が小さく、術後のケアも剪除法より楽なことがメリットです。中には、再発補償付などの所もあるようです。手術に要する時間は、90分~2時間程度。

手術費用:両側で約30~40万円(保険適用外)

②イナバ式組織除去法

皮膚に4~5cmの切れ目を入れて、特殊な器具を挿入してワキガの原因の毛根をそぎとります。2~3針縫合します。治療前に比べて80~90%減退するとされています。

手術費用:両側で25万円程度(保険適用外)

手術以外の非侵襲的ワキガ治療法

「手術はイヤだけどワキガは何とかしたい」という場合に非侵襲性の治療が選択肢となります。これらの治療は、傷が小さく、術後すぐに帰宅して、普通の生活ができるというのが利点でしょう。これらの治療は保険適用がされないので、費用がかさむのがデメリットです。

美容外科や形成外科で治療できますが、設備など対応できる所が限られていますので、費用や条件を事前に確認してください。

①電気凝固法

腋毛の毛根に針を刺して電流を流し、アポクリン腺の毛根を固めて破壊し、ワキガを治療する方法(A法)です。最近は中等度のワキガ症状にも効果のある、太くて長い針が開発されました(B法)。電気凝固法(B法)は、腋毛は残ります。施術時間は、A法で2~3時間程度。

治療費用:初回10万円程度(2回目以降、5~6万円)数回の通院が必要なので、30万円程度

②超音波を利用したワキガ治療

超音波吸引法=超音波メスの先に取り付けられたハンドピースの振動・衝撃によって、アポクリン腺とエクリン腺を破壊する治療法です。超音波メスは熱を発するので、冷却用の生理食塩水を同時に放出し、破壊された汗腺と共に吸引します。直視ではないので、汗腺を完全に除去できるわけではありません(30~50%減退とされています)。

治療費用:8~10万円程度

③マイクロ波を利用したワキガ治療

ミラドライ=皮膚にメスを入れずに、マイクロ波を照射してアポクリン腺とエクリン腺を破壊する治療法です。施術時間は90分~2時間程度。汗腺を破壊するので、治療効果は半永久的とされています。70~90%程度除去できるとされています。

治療費用:36万円程度。2回目希望の場合は、20万円程度。

④レーザー光線を利用したワキガ治療

レーザーデオドラント=直径1ミリのレーザーファイバーを毛根に挿入して、レーザー光線を照射してアポクリン腺を破壊する治療法です

効果は半永久的とされています。施術時間は20分程度。

治療費用:8万円~15万円程度

手術やその他の治療法は、アポクリン腺を除去・または破壊するので、治療効果は半永久的です。しかし100%除去できるとは限りません。

生活習慣や食事などによる継続的なワキガ予防対策は必要です。

ワキガ治療は、医師の経験や技量によっても治療効果が違います。手術などは、施術例の多い病院の方が安心できるでしょう。事前に評判や情報を集めて、調べておきましょう。そしてワキガ手術等を受ける時は、きちんと説明を受け、再発の可能性などのデメリットも確認しておきましょう。その上で納得して最終的に決定することが大切です。