なぜワキガは臭うの?ワキガの原因と臭いに迫る!

日本人では10人に1人がワキガ体質と言われますので、ワキガの臭いにお悩みの方は男女ともに多いと思われます。

ワキガの主な原因となるのはアポクリン腺の汗ですが、その他にもワキガの原因になる発生源は3つ存在します。ここでは、ワキガの原因となる腋汗の知識と、臭いの原因について解説して行きます。

1.ワキガの原因となる腋汗(わきあせ)

まず、ワキガの原因となる腋汗のことについて知りましょう。腋汗には ①エポクリン腺から出る汗 ②アポクリン腺から出る汗の2種類があります。そして汗ではありませんが、③皮脂腺という分泌腺があり、ワキガの原因の一端を担っています。ワキガの主な原因となるのはアポクリン腺の汗ですが、この3つの分泌腺がワキガの臭いと悩みを深くしています。

  1. エポクリン腺から出る汗
  2. アポクリン腺から出る汗
  3. 皮脂腺

これらがワキガの主な臭いの原因となっています。

エクリン腺の汗|ワキガ臭の飛散は汗の水分による

エクリン腺は非常に小さな汗腺でからだ中に分布しています。全体に広く、小さな水滴で発汗した方が蒸発しやすく、気化熱として放熱しやすいからです。つまりエクリン腺の汗は体温調節のための汗なのです。エクリン腺の汗は、ナトリウム、カリウム、塩素、アンモニウム、尿素などが微量に含まれますが99%は水分で血漿とほぼ同じ成分です。

発汗する時に、汗腺は水分以外の成分を再吸収して、体温を下げるための水分を“汗”として出します。エクリン腺の汗はほとんど水分なので基本的に無臭でサラサラしています。但し、汗腺の働きが悪いと、アンモニウムや尿素、重炭素イオンなどが汗として出てしまい、ワキガの臭いを強める原因となります。また、臭い成分は汗の水分に混じって飛散するので、汗の量が多いと臭いが強くなります。

アポクリン腺の汗|ワキガの原因となる汗

ワキガの原因となるアポクリン腺は皮下組織の毛穴につながっていますので毛穴を通じて発汗します。大汗腺とも言います。アポクリン腺の汗腺のほとんどは腋の下にあり、あとは外耳道・乳輪・外陰部・肛門周辺などにわずかにあるだけです。

アポクリン腺の汗の成分は、タンパク質・糖質・脂質・鉄分・アンモニア・ステロイド類・脂肪酸・色素リポフスチンなどで、塩分はほとんどありません。成分が濃厚なため、粘り気があります。

アポクリン腺の汗自体は無臭ですが、皮膚の常在細菌が汗に含まれる脂肪酸などを分解する事によってワキガの臭いの原因になります。これが、エクリン腺の汗の水分に混じって飛散して鼻に届き、臭いとなってワキガと意識されます。

このアポクリン線の汗を抑えることで常在細菌と混ざり合う事を防ぎ、結果的に嫌なワキガの臭いを抑えることに繋がります。

皮脂腺|ワキガの臭いを強める原因

もうひとつ汗とは違いますがワキガの原因の1つとなる皮脂腺という分泌腺があり,これは毛穴と直結しています。

肌の潤いを保つために脂肪を分泌する腺で、ほぼ全身の皮膚に分布しています。皮脂とエクリン腺の汗の水分が混じり合って、皮脂膜を作り、肌を保護しています。この皮脂膜に常在細菌が存在しており、ワキガの臭いを発生させる原因となります

 

2.ワキガの原因となるようなアポクリン腺はなぜ存在するのでしょう?

アポクリン腺の汗は臭いのための汗でワキガの主原因です。なぜ、臭いのための汗があるのか不思議に思いませんか?進化的にはアポクリン腺の方が古くて、哺乳類の多くはエクリン腺を持たずアポクリン腺だけです。

私達のような人間も含めて動物のアポクリン腺の役割は2つあります。

1つは、同種の仲間を識別するためです。2つ目は、生殖のために異性を引きつけ興奮させるフェロモンの役割です。オス犬を飼った経験のある方は、犬が他のメス犬のおしりの臭いに惹き付けられるのを目にした事があるでしょう。哺乳類にとっては、臭いは種の生存のための重要なコミュニケーション手段なのです。

ワキガの原因となるアポクリン腺の数は人種によっても違いがあります。黒人はほぼ100%がワキガ体質だとされています。アングロサクソン人種は、60~80%です。アジア人種のワキガ体質は少なく、日本人は10%、中国では5%程度とされています。日本ではワキガ体質は少数派なのです。

アポクリン線の汗がワキガの主な原因です。日常のワキガ対策としては、この汗を効果的に抑えることが重要です。

アポクリン腺は、なぜ腋の下に多いの?

先述で説明した通り、ワキガの原因となるアポクリン腺は生殖と関りがありますから、生殖器の周辺にあるのは当然です。

では、生殖器ではない腋(わき)になぜあるのでしょうか?

人類は脳の発達に伴い、大量の熱を放出する必要が生じました。全身から効率よく発汗して放熱するためには、体毛が邪魔です。そこで体毛を退化させるのですが、フェロモンの役割を残さなければなりません。人は直立歩行なので、臭いを感じやすい鼻の近くの脇の下に残したのです。生殖のための腺ですから、性ホルモンと連動します。ですから、ワキガは第二次性徴(思春期のこと)の頃から発生することが多いのです。

なぜ、体毛と一緒なの?

異性を引きつけるためには、ある程度の時間、臭いを発しなければなりません。臭いを維持するためには、体毛に付着させて留めるようにしたのです。ワキガの臭いは汗の成分が皮膚の常在細菌の作用で分解されて生じるのが原因です。体毛は汗の成分を留めて、細菌が増殖し易い湿潤な環境を作ってしまいます。

 

3.ワキガの臭いの原因は?なぜワキガはクサイのでしょう?

ワキガの原因となる臭い成分の発生源は3つの分泌線です。臭い成分の主は脂肪酸などの脂質です。臭い成分が多く分泌されると、細菌のエサが豊富になりワキガの臭いを強くする原因となります。また、ワキガ臭は性周期とも関連があります。衣類によっても強さが変ります。

ワキガの原因となる臭いの素~3つの発生源

  1. アポクリン腺からの汗に含まれる豊富な成分が、皮膚の常在細菌の作用で分解されてワキガの臭い成分(3-メチル-2-ヘキセン酸、ビニルケトン類など)を発します。特に、脂肪酸とアンドロステノンというステロイドがワキガ特有の臭いの原因と言われています。

  2. エクリン腺の働きが悪いとアンモニウムや尿素などが出て、常在菌の働きで臭い成分に分解され、ワキガ臭を強める原因となります。また重炭素イオンは、細菌の繁殖しやすい状態にします。適度な運動や入浴で汗腺の働きを良くしておくことが大切です。

  3. 皮脂腺からの分泌物は、脂肪酸やスクワランなどの脂質が主成分です。本来は肌を守るためで臭いはしないのですが、毛穴から出された後の皮脂が常在細菌によって分解され臭いの原因になります。また、細胞内にあるうちに、コレステロールなどの脂肪が、体内の活性酸素と結びつき酸化した場合に、過酸化脂質となり、臭いの原因になります。それらがアポクリン腺の汗の臭い成分と混じり合うと、一層ワキガの臭いが強くなります。動物性脂肪を含む食品を多く取ると、分泌量も増え酸化しやすくなり、ワキガ臭の原因となります

臭いの強さの変化の要因

  1. 腋は体毛があるので、細菌が繁殖しやすい環境です。体毛は、ワキガの臭いが強まる原因となります。体毛がなければ、それだけ細菌の繁殖は抑えられワキガは軽減されます

  2. ワキガの原因となるアポクリン腺からの分泌は思春期頃から活発になり、性ホルモン変動の影響を受けます。女性は性ホルモンの変動が大きく、排卵時期や生理前後にワキガの臭いがきつくなると感じられるのは性周期が原因です。更年期以降、加齢と共に、アポクリン腺は萎縮して行きます。

  3. 衣類に汗が付着すると細菌の繁殖が続き、ワキガの臭いを強める原因の1つになります。汗パッドやデオドラントシャツなどの利用をすると効果的に予防できます。

ワキガの臭いの原因は、分泌腺から出る脂肪酸などの成分が、皮膚の常在菌の分解によって臭いが生じます。皮膚をいつも清潔に保ち、細菌が繁殖しないようにすることがワキガ予防に大切です。具体的なワキガ対策については別記事で詳細にご紹介いたします。