女性の手汗は女性ホルモンの乱れが原因!効果的な対策は?

 

ホルモン分泌系と自律神経系は人間の身体を正常に保つ上でとても重要なシステムです。女性ホルモンと自律神経はお互いに影響しあう深い関係にあります。女性の体は女性ホルモンの影響を強く受けるので、自律神経のバランスが乱れやすく手汗の原因にもつながります。

ここでは、女性ホルモンの乱れがなぜ手汗の原因になるのか?また、このような女性特有の原因による手汗の効果的な対策について解説していきます。

 

1. 女性ホルモンと自律神経 – 手汗の関係とは?

女性ホルモンは自律神経や発汗(手汗など)との関りが強く、簡単に関係を示すと以下のようになります。

  1. 女性ホルモンの分泌量や周期が影響し
  2. 自律神経が乱れる原因となり
  3. 手汗が増える原因になる

それでは、それぞれを確認していきましょう。

①女性ホルモンについて

女性ホルモンは、脳の視床下部から脳下垂体に指令が行き、最終的には卵巣から分泌されます。

女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。この2つのホルモンが交互に優位に働き、排卵・月経周期を作り出しています。

生理 icon-arrow-right 卵胞を育む「卵胞期」  排卵  受胎準備の「黄体期」  生理

と、排卵を挟んで卵胞期と黄体期に分けられます。黄体ホルモンの分泌量が増える黄体期には、体温が上昇傾向になり発汗しやすくなります。ホルモン分泌の変動が大きい、生理前や更年期では自律神経のバランスが乱れやすいのです。

②女性ホルモンと自律神経の関係

視床下部~脳下垂体という経路は、女性ホルモンだけでなく他の様々なホルモンの指令も行き来しています。視床下部は自律神経のコントロールにも関っていて、ホルモン分泌のバランスをチェックしながら自律神経と連絡しあっているのです。

ホルモン分泌と自律神経のどちらかがバランスを崩すと影響は両方に及びます。ですから、疲れやストレスで自律神経が乱れると、女性ホルモンの分泌も乱れるという関係にあります。

③自律神経が乱れると手汗の原因となる?

自律神経は、内臓や血流、呼吸、体温調節、ホルモン分泌など、私達の意思とは関係なく働き、体内の状態を保っています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つの神経系があり、対照的にシーソーのように揺れ動いて、常にバランスをとりあっています。

交感神経は細胞を興奮させるように働き、副交感神経は興奮を鎮めてリラックスさせる働きをします。

交感神経と副交感神経はバランスが取れている状態が最も良く、どちらかへの偏りが大きくなると、心身にはいろいろな不調が出てきてしまいます。この偏りが大きくなった状態というのが、自律神経が乱れている状態と言えるのです。

そもそも、汗は交感神経から出される命令によって汗腺から発汗します。交感神経の方にシーソーがかたよってしまうと、『汗を出せ』 という命令が出されてしまいますので、たとえ暑くなくても、緊張や不安で交感神経が興奮することで手汗などの汗が出ることになるのです。

 

2. 女性ホルモンの影響で手汗が増える場合

手汗が増える原因として、緊張や不安による自律神経の乱れをご紹介してきましたが、その他にも、女性特有の原因として女性ホルモンの影響があります。女性ホルモンの影響で手汗が増えるのは、主に、生理前・妊娠中・更年期です。

生理前・妊娠中・更年期に手汗が増える原因

生理前

生理前の黄体期は女性ホルモンの変動が大きく、自律神経が乱れやすい時期です。また黄体期は、体温が高いので発汗しやすくなります。

妊娠中

妊娠すると、黄体ホルモン優位が続き体温が高い状態が続きます。妊娠中は交感神経が優位になり、発汗しやすくなります。乳腺が発達し、胎児の成長に伴い身体全体の代謝が大変活発になり、発汗しやすくなります。

更年期

更年期になると卵巣の機能が低下して、ホルモン分泌が減少します。すると視床下部はホルモン分泌を促すように、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GuRH)で催促します。

GuRHは血液中のホルモン量をチェックして十分だと止まりますが、不十分だと視床下部は何度も何度も催促します。すると疲れて果ててしまい、視床下部のコントロール能力が変調を来たします。催促しても催促しても必要量に足らずに、司令塔が疲れてしまうというイメージです。

それによって、自律神経が乱れ、のぼせや発汗(手汗・顔汗)・情緒不安定など色々な体調の異常を引き起こします。

Dr. Amelia

女性ホルモン分泌が急増したり急減したりと、変動が大きいと自律神経の乱れを引き起こし、手汗の原因となります。

 

3. 女性ホルモンの影響による場合の手汗の対策

生理前・妊娠中・更年期のそれぞれでは、交感神経が優位になることによって自律神経の乱れが起こります。つまり手汗が出やすくなると言えます。

自律神経のバランスが乱れる原因は、過労・睡眠不足・精神的ストレス・生活リズムの乱れ・運動不足・偏った食生活…などです。これらは、交感神経の興奮状態を招きますので手汗を増やす原因になります。

つまり、自律神経の乱れを防ぎ、体調を整えることが一番の手汗対策になります。

そして身体を冷やさないことがとても大切です。身体を冷やすと卵巣などの働きが悪くなり、女性ホルモン分泌の異常や女性特有の病気を招きやすくなります。

①手汗対策 – 交感神経を鎮めて副交感神経を優位にする方法

  • 心身の無理を避け、しっかり休養・睡眠をとり、疲れをためないようにします。
  • アルコールやタバコ、カフェインなどは交感神経を刺激するので、とりすぎないようにします。
  • 食事はゆったりとリラックスして、できれば食後30分ほど休むと副交感神経の働きが促進されます。
  • 黄体期には強い精神的緊張を伴うようなことは、できるだけ避けましょう。
  • ぬるま湯にゆっくり入浴したり、適度な運動で血流を良くすると緊張がやわらぎます。
  • 適度な運動や有酸素運動をして、血流を促進します。

 

②女性特有の子宮や卵巣などの臓器に冷えは禁物

もともと人間の身体は体内深部が37度半ばくらいが理想的で、体温が下がると代謝機能などが低下します。

子宮や卵巣は生殖に関る大切な臓器なので、冷えると細胞を増殖して守ろうとします。それが子宮内膜症や子宮筋腫のリスクを高めます。

つまり身体が冷えると  交感神経が緊張して血流が悪くなり  女性特有の臓器の働きが低下してホルモン分泌に変調を来たす、ということになります。身体を温めて、血流を良くすることが卵巣などの働きを保つために大切です。

③手汗/更年期対策 – 大豆イソフラボンサプリは本当に効果的なの?

女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)と似た作用をするとして、サプリなどで販売されているものに「大豆イソフラボン」があります。

「更年期の予防に、イソフラボンを摂ればいい」と考えるのは間違いです。なぜなら、卵胞ホルモン過多は乳ガンや子宮筋腫の要因となる可能性があるからです。

農林水産省でも、「日本人の場合は大豆食品の摂取量は欧米人に比べて多いと考えられる」としています。

農林水産省が推奨していることは、日常生活でバランスの良い食生活をすることで、「特定保健用食品の過剰摂取による大豆イソフラボンの摂り過ぎには注意してください」としています。(農林水産省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」より)

更年期障害で症状が重く辛い場合は、婦人科に受診して正しい治療を受けるようにしましょう。

Dr. Amelia

身体を温め、偏りのない良い食事、活動と休息のバランス、睡眠、このような基本的な生活習慣を心掛ける事が大切です。それが、女性ホルモンの分泌を安定させ、困った手汗を防ぐことにつながります。