イオントフォレーシス – 多汗症の治療法

多汗症の治療法であるイオントフォレーシスは、手足の多汗症においては手軽で副作用もなく推奨度の高い治療法です。保険適用されるので費用の面からも負担が少なくなっています。多汗症におけるイオントフォレーシス治療についてまとめました。

1.イオントフォレーシスとは?

イオントフォレーシスとは、水道水に電流を通電して生じる水素イオンが汗孔部を障害して発汗を抑制するとされています。近年は水道水を使わず、電流を通電することで直接汗腺細胞のイオンチャネルに影響を与える可能性も議論されており、今後、より進化したイオントフォレーシスが開発されるかもしれません。

2.多汗症におけるイオントフォレーシスの治療方法

イオントフォレーシスは、保険適用される治療法です。但し、イオントフォレーシスの設備を有している所に限ります。方法は、水を張った金属トレイに患部を浸し、10~20Aの微弱電流を流します。少しピリピリする感じがあります。治療時間は、約20~30分前後です。

3.多汗症におけるイオントフォレーシスの治療効果と費用

イオントフォレーシスは、手足の多汗症(手汗・足汗など)において、とても治療効果が高いとされています。

手足の多汗症では医学的根拠や安全性も確認されており、安心して治療をうけられます。腋汗については、治療の推奨度は他より低く、一般的ではありません。頭部顔面多汗症についての治療効果についてはまだ研究段階であり、多汗症診療ガイドラインにおいても、現在は推奨されていません。

治療効果が出始めるまで

イオントフォレーシス治療は、初期に集中的に行って、汗が出なくなったら週に1回程度の治療で効果を持続させるというのが一般的と言えます。症状にもよりますが、発汗が抑えられる効果が確認できるまで、6~12回ほどの治療が必要となります。

回数や治療間隔によっても異なりますが、手足の多汗症については、適切な治療を継続するとほとんどの例で、発汗低下の効果が認められるとされています。劇的に汗が止まるというものではなく、少しずつ汗が減っていくという治療です。重症の多汗症の場合は、効果が実感できない場合もありますので、手術などの治療法を受ける選択肢もあります。

最初の1ヶ月は、週に2~3回治療し、汗が減ったら、週に1回程度という治療パターンが多いようです。治療は、大体20回程度をひと区切りとして、様子を見るというケースが多いようです。汗腺を破壊するものではないので、治療をやめてしばらくすると、また発汗があります。
イオントフォレーシス治療のポイントは、最初に集中的に治療をすることです。週に5日治療すると、2週間ほどで汗が出なくなります。

治療費用

治療費=1回660円~1000円程度(健康保険3割負担の場合)初診料・再診料などは除く。
※事前に保険診療や設備の有無について確認しておきましょう。

4.イオントフォレーシス治療の副作用、問題点

副作用
イオントフォレーシス治療において、副作用はほとんどないとされています。ただ、かゆみや皮膚のかぶれる人もいますので、肌の弱い方は医師に相談したほうが安心でしょう。

問題点

問題点としては、イオントフォレーシス治療が出来ない場合があります。心臓のペースメーカーを使用している人/骨折の手術などで、体内に金属を埋めている人/金属アレルギー等のある人/妊娠中/これらに該当する場合は、必ず医師に確認してください。

5.家庭用イオントフォレーシス機器

イオントフォレーシス治療は通院しなければいけない、また、イオントフォレーシスの設備を有する施設が少ないのがデメリットです。

通院が出来ない場合は、イオントフォレーシス機器を購入して自宅で治療する方法もあります。但し、重症の多汗症の場合は効果が出にくいという例もあるようです。この機器はインターネット通販で購入することができます。

安定した電流が供給できる医療用の方が治療効果は高いですが、家庭用では、ドライオニックなどが販売されています。家庭用は、インターネット通販で2~3万円で入手できます。また病院によっては、イオントフォレーシス機器購入のサポートや相談に乗ってくれるところもあるようですので一度相談をすると良いかもしれません。

イオントフォレーシスは、手足の多汗症においては手軽で、副作用もほとんどなく効果も高い治療法です。通院が可能であれば、検討に値する治療法でしょう。