子供の手汗の原因を知る3つのポイントと対処法・治療法

子供の手汗が多くて心配される方も多いでしょう。発達途中の子供ならではの原因もあります。手汗は自律神経との関りが深いので、子供の生活環境や親子関係なども大きく影響するのが特徴です。

ここでは、子供の手汗の原因を知る上で大切な3つのポイントと乳幼児期から思春期までの子供の手汗について、治療法と対処法を解説します。手汗は他の病気の兆候である可能性もありますので注意が必要です。

 

1. 子供の手汗 – 原因と問題発見の3つのポイント

手掌多汗症の場合の多くは、小児期から思春期頃までに発症するといわれています。手掌多汗症の発症年齢は、13.8歳という報告があります(厚生労働省特発性局所多汗症研究班による全国疫学調査)。

子供の場合は多汗症の判断が難しく、成長に伴い症状がおさまることもありますが、子供の手汗が多いと思ったら、次の3つのポイントをチェックしてみましょう。

ポイント① 他の病気はないか

内科的疾患の部分症として多汗の症状が出ることがあり、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)= バセドウ病先端肥大(巨大)症などの病気が関っている場合もあります。

また、発達障害がある場合は自律神経が不安定で多汗の症状が出る場合がありますので、小児科医などに相談するのが良いでしょう。

他の疾患がなく、手汗が異常に多い場合は「手掌多汗症」の可能性もあります。

 

ポイント② 全身汗か部分汗か

乳幼児~思春期は新陳代謝が非常に活発なので、ちょっとしたことで体温が上昇しやすく汗をかきやすいものです。また、3歳の幼児も大人も汗腺の数はほぼ同じですから、体表面積の少ない子供は大人よりはるかに汗は多くなります。

全身から発汗しても、手足・顔などはエクリン腺が高密度に分布しているので、手汗は目立ちやすいのです。

手汗だけでなく、身体にも汗の症状が無いか確かめましょう。

全身から発汗している場合は、ほとんどが体温調節のための「温熱性発汗」なので、汗が多くても心配はないでしょう。

 

ポイント③ 暑くもないのに手汗が出る場合

気温が暑くもなく、運動もしていないのに手汗が出るというのは、多くは精神的要因や環境ストレスが原因です。

普通でも、緊張や不安などの精神的ストレスがあると、交感神経が刺激されて発汗を促します。交感神経が興奮しやすい状態になっていると、些細なことで緊張しやすく、手汗が増えます。

頻繁に多量の手汗が出る場合は「手掌多汗症」の可能性もあります。

 

2. 子供の手汗 – 発達時期別の対処法

子供と言っても発達時期によって状況が違います。手汗は精神的要因が大きく、「自律神経の乱れからのストレス」が発汗の原因である場合が多いのです。ストレス軽減が手汗を防ぐ対処法です。大きく3つの時期に分けて、対処法を紹介します。

2-1. 乳幼児期の手汗の問題と対処法

乳幼児期の手汗

乳幼児期は心身の基礎づくりの大切な時期です。

基本的な生活リズムを身につけるなど、手汗と関係の深い自律神経の基礎作りの時期でもあります。

心身の不調をうまく伝えられないストレスが、手汗や様々な症状を引き起こすこともあります。

①遺伝的要因

手掌多汗症は遺伝であるという確かな根拠はありませんが、重症の場合に家族歴が認められる例も何割かあります。

交感神経が興奮しやすい体質が受け継がれるということは考えられます。乳幼児期に手汗が多い場合は、遺伝的要因も考えられます。

②乳幼児期のストレス

親の不機嫌、両親の不仲、愛情・スキンシップの不足、親子関係、下に兄弟ができた、新入園・引越しなどによる環境の変化。

③ストレス対処法

親が情緒不安定だと、子供には無意識のストレスとなって自律神経の変調を来たします。手汗が多い、お腹が痛い、微熱が続く、食欲がないような場合は、自律神経が乱れているサインと考えられます。

生活リズムを整え、親子でゆっくり過ごす時間を多く取り入れて、交感神経の興奮を鎮めましょう。

④手汗の治療法・対策

乳幼児期は多汗症かどうかの判断が難しく、病院に行っても多くは経過観察を勧められるでしょう。親御さんが気にしすぎると逆に子供の不安を増すことになります。子供と遊ぶなど、楽しい気分転換がお勧めです。[汗腺の発達も3歳までに決まる]

生後3歳までは汗腺の発達にも重要な時期です。3歳頃までにどれだけ汗をかくかによって能動汗腺の数が決まります。

汗をかくと、汗腺の働きも活発になります。汗腺の数が多いと汗が増えるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、違います。能動汗腺が多く活発に働くということは、体温調節機能が高まり、結果的に手汗のような部分汗を防ぐことにもつながります。

汗腺の働きが悪いと、余分な成分の多いベタベタ汗となり、汗の臭いの原因にもなります。

乳幼児期に思いっきり汗をかいて全身の汗腺を発達させることが、将来の困った汗を防ぐためにもとても大事です。

 

2-2. 学童時期の手汗の問題と対処法

学童時期の手汗

学童期になると、学校生活が大きなウェイトを占めるようになります。

学校生活に問題があると、慢性的なストレスとなりかねません。

慢性的なストレスは、交感神経の過敏な状態が続くことになり、ちょっとしたことで過剰に手汗が増える原因となります。

 

①学童時期のストレス

入学、クラス替え後の新学期、転校、友達関係、先生との関係、成績、入試、部活のしすぎ、親子関係、家庭環境など。

②ストレス対処法

学校では緊張することが多い分、家庭ではリラックスした状態でいられるようにバランスをとってあげることが大事です。

特に新入学やクラス替えした後の新学期は、無意識のうちに緊張して自律神経も不安定になりやすい時期です。日頃からお子さんと話をするなど、安心感を持てるようにしましょう。

③手汗の治療法・対策

暑くもないのに手汗だけが異常に出るという場合は、手掌多汗症の可能性もあります。

外部リンク ≫ 手掌多汗症について(金沢医科大学HP)

他の内科的疾患がなければ皮膚科に行くのが一般的です。学校に行っていると病院での治療は、通院も中々難しいです。手軽な対処法として”制汗剤”があります。

最近は 手汗専用の制汗パウダー も売られています。手汗がひどい場合はまず試してみる価値はあるでしょう。


 

2-3. 思春期の手汗の問題と対処法

思春期の手汗

「思春期ブルー」と言われるほど、心身の大転換期で難しい時期です。

性ホルモン分泌が急増し様々な変化が現れ、ストレスが増大し「緊張性発汗」が増える時期です。

「手汗でからかわれた」というだけで深く傷ついたり、コンプレックスを持つ事もあります。

 

①思春期のストレス

第二次性徴による身体の変化、自意識の発達により他人の目が気になる、反抗、友達・異性との付合い、部活、受験、成績、親子関係、放任、家庭環境など。

②ストレス対処法

第二次性徴による身体の変化だけで、子供にとっては不安です。誰にも言えない・恥ずかしいという気持ちを抱き、緊張が高まっています。体内では性ホルモン分泌が急増して、自律神経が非常に不安定になっています。

あれこれ聞いたり口を出さずに、見守るのが一番の方法です。何事もサラリと流して、リラックスできる家庭環境にしておくことです。但し、夜更かしが続くなどの生活リズムの乱れは、更に手汗を悪化させます。

思春期に問題がある場合は、親から一方的に指図するのではなく、子供と一緒に考える姿勢で臨みましょう。

③手汗の治療法・対策

手汗が異常に多い場合は、自律神経を整えることが必要です。しかし手汗がひどい場合は、すぐ使える手汗専用の制汗剤を持ち歩くのも良い方法です。通院可能であれば、専門医の治療を受けることも安心感につながるでしょう。

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3. 子供の手汗 – 皮膚科での治療

手汗で専門医の治療を受ける場合は、皮膚科が一般的です。但し、手汗以外の症状もあるようなら、内科やかかりつけ医に相談することをお勧めします。

①塩化アルミニウム溶液を塗る治療

塩化アルミニウム溶液を処方してもらって、寝る前に手に塗り、朝洗い流します。効果が出るまで数週間かかりますが、溶液があれば自宅で出来るので、頻繁に通院しなくてもよいのが利点です。手軽な方法ですが、小さな子供の場合は舐めたりすることもあります。また子供の皮膚はデリケートでかぶれなどの心配がありますので、医師とよく相談してください。

②イオントフォレーシス

水に電流を流して水素イオンを発生させ、その中に20分ほど手を浸す治療法です。週に1~2回、10数回の通院が必要です。効果が出るまで数週間かかりますが副作用がないのが利点です。アレルギーの場合はできないことがありますので、必ず医師に相談してください。イオントフォレーシスの設備のある医療機関に限ります。家庭用のものもネット通販などで「ドライオニック」という名称で売られています。

関連記事 ≫ イオントフォレーシスとは?

他にも注射や手術という治療法がありますが、副作用なども考えられますので、子供の場合は、まずは手軽な方法で手汗の軽減をしつつ、ストレスを減らし自律神経を整えて改善するのが妥当 といえるでしょう。