ワキガは遺伝するの?必ずワキガになるの?

 

ワキガ体質は遺伝する可能性が高くなっています。

ただし、体質が遺伝する事と実際にワキガが発症することはイコールではありませんので、親がワキガであっても子供が必ずワキガになる訳ではありませんので安心してください。

ワキガ体質はアポクリン腺の分布量により、それは遺伝子レベルである程度決まります。しかしアポクリン腺の汗成分そのものは無臭です。ここでは、『ワキガと遺伝』について解説していきます。

 

1. まずはワキガの原因を知ろう!

「ワキガ体質」とは何かについて、まず、なにがワキガの原因なのか?を知る必要があります。これからご説明する「ワキガと遺伝の関係」を理解するのに必要な事ですので、しっかりと読むことをお勧めします。

脇の下には3つの分泌腺があります。

汗を出す元となるアポクリン線とエクリン線。そして、皮脂を出す皮脂腺です。ワキガはこの ”3つの分泌腺の汗” と “皮脂の成分” が、皮膚の常在細菌で分解されることによって初めてワキガ独特の臭いとなるのです。3つの分泌腺の中でアポクリン腺から出る汗が主なワキガのニオイの原因です。しかし汗腺から出る汗成分そのものは無臭です。

なぜワキガは臭うの?ワキガの原因と臭いに迫る!

2016.04.25

①ワキガの主な原因となるアポクリン腺の汗

アポクリン腺は毛穴につながる腺で毛穴を通じて発汗します。

アポクリン腺の汗は、体温調節のためのエクリン腺の汗とは成分も違います。臭いの元となる脂肪酸やステロイド、アンモニウムなどの成分を含む分泌物を出します。この分泌物自体は、無臭です。

発汗した後、皮膚の常在細菌によって分解されて、独特の臭い成分となります。エクリン腺から出る汗の水分に混じって飛散し、鼻に届きます。細菌のエサとなる栄養分が多いほど、臭いが発生しやすくなります。アポクリン腺の数が多いと分泌物も多くなるので、ワキガ臭を発生しやすいワキガ体質と言われています。

②皮脂腺

皮脂腺の出口は毛穴に直結しており、肌の乾燥を防ぎための脂(アブラ)を出します。

皮脂は脂肪酸やタンパク質、コレステロールなどの臭いの元になる成分を含んでいます。脂肪酸が体内の活性酸素によって酸化されたり、また皮膚の常在細菌によって分解されると、臭い成分となります。それが、アポクリン腺の汗の臭い成分と混ざり合って、臭いを強くする原因となります。

③エクリン腺

暑い時などに身体全体から出る汗であり、体温調節のための汗です。

エクリン腺は表皮の浅いところにある小汗腺です。エクリン腺の汗は99%が水分で、塩分やカリウム、アンモニウム、尿素などのミネラル類が僅かに含まれます、通常は、ミネラル類は再吸収されて、汗となって出る時は、ほとんどが水分です。この水分が皮脂と混ざり、皮脂膜を作って肌を保護する働きをしています。

 

2. ワキガの遺伝子はあるの?

アポクリン腺は “ABCC11” という遺伝子の配列によって、アポクリン腺の分布が決まります。つまり、アポクリン腺の分布は生まれつきです。

「ABCC11」という遺伝子は、老廃物などを体外に排出する代謝機能に関っています。アポクリン腺や皮脂腺は、この排出代謝機能を利用しているのです。

この代謝機能が活発な場合、耳垢が湿ったタイプになります。耳のアポクリン腺の数と、腋のアポクリン腺の数は、大体比例しています。ですから耳垢の湿りタイプ/間奏タイプで、腋のアポクリン腺の数が多いか少ないかを大体判断できるのです。そのことから、「ABCC11」という遺伝子は、ワキガ遺伝子と言われています。「ABCC11」遺伝子の型は、3種類の遺伝子型があります。

  • GG型=ワキガになりやすい
  • GA型=ワキガにややなりやすい
  • AA型=ワキガになりにくい

このように、なりやすいか/やや~/なりにくいか、という傾向です。遺伝子が描くのは、あくまで設計図です。アポクリン腺の数がバッチリ決まるワケではないのです。

 

3. ワキガは遺伝の確率は?

両親がワキガ遺伝子を持っている場合(ワキガ体質である場合)の遺伝の確率は80%以上です。片親がワキガ遺伝子を持っている場合は50%です。

ワキガ体質の場合は、常染色体優性遺伝という遺伝の仕方で、親の体質が子供に遺伝する確率が高いのです。遺伝には、優性遺伝と劣性遺伝があることは学校でも習ったと思います。隔世遺伝は、劣性遺伝の場合に起こるものです。(※隔世遺伝 ―― 祖父母やそれ以上前の世代から世代を飛ばして遺伝しているように見える遺伝現象のこと)

「祖父はワキガだけど、親はワキガじゃない、でも自分はワキガ」 ―― と言う場合は、親が食生活などの生活習慣でワキガが発現していなかったと考えられます。または気づかなかったなどの可能性もあります。

ただし、ワキガの遺伝子を持っていることと、発症することは違います。例えば、肥満の遺伝子を持っていたとしても、実際に肥満となるかどうかは生活環境によって変化します。耳垢が湿ったタイプはワキガになりやすいのは事実ですが、耳垢が湿っているからと言って必ずしもワキガになるわけではないのです。

ワキガが親から遺伝する確率は50%~80%以上です。両親がワキガである場合は、高い確率で遺伝すると言ってよいでしょう。また、隔世遺伝によって、親がワキガではないのに、祖父母やそれ以上の体質を受け継いでワキガとなるケースも十分に考えられます。ワキガとなるのは、ほとんどのケースで遺伝によると考えて良いでしょう。

 

4. アポクリン腺の汗だけではワキガにならない

上記の説明までで、ワキガ体質は遺伝することがお分かり頂けたかと思います。しかし、ここで言う「遺伝するワキガ体質」とはアポクリン線の分布量の傾向を指します。ですから、ワキガ体質が遺伝したことが、あの嫌なワキガのニオイを発するということに直結しません。

重要なことは、アポクリン腺の汗自体は無臭で、それだけではワキガの臭いにはならないという事です。ワキガ体質が遺伝しても、しっかりとした対策を行えば、効果的に臭いを抑えられるということです。
ワキガ特融のニオイになるまでは下記のメカニズムの通りです。

  1. 分泌物が体毛に付着
  2. 皮膚の常在細菌が分解
  3. 水分と混じって飛散
メカニズムから見るワキガ対策
さきほど説明したワキガのニオイが発生するメカニズム考えれば

  • 体毛への付着を防ぐ
  • 皮膚の常在菌の分解を最小限にする
  • 水分と混じって飛散するのを防ぐ

この様なワキガ対策方法をとると、臭いの発生は軽減できることになります。つまり、体毛を処理したり、腋の下を常に清潔に保つことや、こまめに汗をふき取るなどでも軽減できることになります。

さらに、発汗の指示を出すのは交感神経です。また、皮脂の酸化に関る活性酸素も、交感神経の活動に連動します。交感神経の過剰活動を防ぐような、疲れやストレスをためない生活習慣を心掛けることが大切です。活性酸素の作用は、抗酸化物質によって防げますから、ビタミンCを多くとるなども良いでしょう。

 

5. ワキガ体質じゃなくてもワキガになるの?

遺伝的なワキガ体質ではないけれどワキガになるということは、可能性として考えられます。

アポクリン腺は誰にもあるものです。それが何らかの要因で活発化したり、肥大化するということは十分に考えられ、結果的にワキガとなる可能性は十分に秘めています。

またワキガ体質が遺伝していない(アポクリン線の分布が普通の範囲)場合でも、毛穴が大きい場合は汗の量が増えます。それに加えて、食生活の偏りや、ホルモン分泌の活発化など様々な要因がかさなるとワキガになることも考えられます。

 

6. 人種によるワキガ体質の違い

耳垢が湿っているかどうかはワキガ体質であるかどうか判断するための重要なチェック項目です。

黒人は耳垢の湿ったタイプがほぼ100%です。白人は70%前後。日本人で耳垢の湿ったタイプは、10~15%程度です。つまり、黒人や欧米人のほとんどはワキガ体質と言えます。ワキガ体質になる原因は遺伝が多いですので、今後も黒人や欧米人はワキガ体質の人が多いでしょう。一方、日本人は10人に1人程度がワキガ体質となり、世界的に見て少数派と言えます。日本では、ワキガは少数派ゆえの悩みと言えます。

ワキガ体質は、遺伝的なアポクリン腺の分布量によります。しかし100%発現するわけではありません。発現する場合でも、その程度は異なります。また、アポクリン腺の汗だけではワキガ臭は発生しません。動物性脂肪の多い食品、香辛料やタバコ・お酒は控えるなど食生活や、生活習慣を改善して、予防することが大切です。

 

ワキガと遺伝の関係のまとめ

以上、ワキガと遺伝の関係をご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?

ワキガ体質は遺伝による影響が大きい(確率は50%~70%以上)為、残念ながら両親がワキガであったり、父母のどちらかがワキガであると、かなり高い確率でワキガ体質となってしまうことがわかっています。また、両親がワキガでなくても、祖父母などがワキガであると隔世遺伝の可能性もありますので、とでもやっかいですね。

このような遺伝の可能性は、家系を少し調べてみればわかる事ですので、心配な方は確認してみた方が良いかもしれません。現時点でワキガ臭が出ていない方でも、家系にワキガの人が居る場合は、あなた自身がワキガ体質である可能性もありますので、生活習慣や体を清潔に保つことに気を付ける必要があります。

また、ワキガにお悩みの方でも、ワキガのニオイのしくみを考えれば、直接的に脇の下からワキガ臭が出ているわけではない事がわかって頂けたかと思います。ワキガのニオイは体毛の処理や脇の下を清潔にする、また、生活習慣の改善でも予防することが可能ですので、ぜひワキガ対策をしっかり行ってみてください。